創造士AI | 自社プロジェクト JT Prompt vol. 001
創造士は自社にてハンズオンで現地現物を確認したツールや分野のみに絞って業務を提供しています。今回は知見習得および将来的な可能性を把握するために現在進行形で実施している人工知能(以下AI)に関する自社プロジェクト「JT Prompt」を紹介します。生成結果はこちらの公式インスタグラム(https://www.instagram.com/jtprompt/)よりご確認ください。
AIに携わる業務のヒエラルキーは頂点を「開発者」とした上で、その下に「構築者」、そして「ユーザー」と続きます。2022年秋のChatGPT公開以来、圧倒的なスピードで世間を席巻した生成系AIをより深く理解するため、創造士では先ず末端の「ユーザー」としてのトライアルをする為に「JT Prompt」という人格を作って「大規模言語モデル(以下LLM)」の試用を2023年春から開始、4月からは画像生成AIの生成実験をスタートさせました。
開始して間もなく知ったのは、AIへの命令文(prompt)を効率良く記述する業務を「prompt engineering」と称し、従事する人材を「prompt engineer」と呼ぶことでした。本来であればLLMは自然言語での指示を踏まえた上でのアウトプットが強みではあるのですが、実際には少々特殊な命令構文を英語で記述しなければ意図した出力を得られず、指示を出す作業がエンジニアのタスクに準ずるためです。
そして、実際に何万点と生成する中で気が付かされた3点目は、学習速度が二乗的に加速している事でした。例として、当初は学習ソースによって多分に既存スタイルでの生成に傾倒していた画像が約2週間毎で改善され、最終的には上記の画像の通りどのスタイルにも類似性を見ない独創的な画像を生成可能となっています。もちろん、既存のスタイルでの描写を指示することも可能ですが、著作権侵害を避ける意味でも特定のスタイル指定をせずとも十分作品として成り立つ品質の画像が生成できます。
ただし、課題も確認しました。先ずは現時点で主流となっているAIがほぼ英語で構築されているために最も効率が良い命令文は英語である点。次に各AIモデルおよび運用プラットフォームによって得手不得手を含めた個性がある点。また、特に画像生成AIに関してはユーザーのコミュニティがほぼアマチュア愛好家たちの集まりとなっていてビジネス的な展開が難しい点。そして生成された出力物の版権や生成に用いられたAIの学習ソースに関する著作権が許可なく使用された法的な問題が解決されていない点。
実際に触ってみると、その圧倒的な可能性に気付く半面、公開後に見せた急激な拡散を持って、コンテンツ制作における既存の在り方に様々な軋轢が生じているのが現在です。ただし、長い目で見れば行く行くは生成系AIが日常生活に溶け込んでいる社会となる事は必須で、我々が思うよりも早くその風景が見れてしまいそうな今日この頃です。
今後も生成系AIの実験は継続し、折を見てこちらで報告いたしますので、もし宜しければ今後もぜひご覧になってください。
JT Prompt 公式インスタグラム https://www.instagram.com/jtprompt/
※当記事の画像はすべてAI生成、Leonardo.ai使用、生成後処理は画質アップスケールのみ