創造士モノづくり | 自社プロジェクト Japan Guitar Works vol. 001
創造士はデジタルのみならず、アナログな分野でも実地を大切にしています。デジタルであろうと最終的には「モノ」に帰結するからこそ、その過程をサポートする為には実際に自社で開発から提供までを実施する様にしています。その一つの例が自社で展開を目指している「Japan Guitar Works」プロジェクトです。
発端は「日本の伝統工芸品が高評価の割には売れない」実情でした。日本のモノづくりは工芸も含めて全般的に海外から高い評価を得て久しいですが、その割には、特に伝統工芸の分野において、海外流通が芳しくありません。もちろん、国も含めて多くの行政や団体が様々なプロモーションを対外的に実施していますが、大きな商流に繋がった実例は少ないと言わざるを得ません。
理由は「輸出相手の生活習慣に合わないから」と創造士では考えています。例えば、美しい蒔絵が施された漆器の重箱を欧米の展示会等にて展示すると非常に多くの来場者から「美しい!」と高い評価を受けますが、実際にこの重箱が売れるかと言うとそうはなりません。これは、そもそも重箱を使うこと自体が彼らの生活習慣に入っていない為です。
そこで我々は「日本の良質な材料、伝統的な技法、品質への拘り」を海外の生活スタイルに合う製品として開発/製造/展開してみたらどうかと言う問いに答える為、自社にて実際にこのコンセプトを体現する製品開発に着手しました。それがエレキギターです。
日本の良質な材木を使い、日本の木工技術はもちろんのこと、品質の高い電子部品も含めて日本の「モノづくり」を、欧米のライフスタイルに溶け込んでいる木工製品であるエレキギターとして具現化するとどうなるか。一見で日本らしさが視認できる和彫りの鯉を鎌倉彫にインスパイアされた技法で彫刻してみたところがミソでもあります。
未完成ながらも米国でのギターショーにて出品した際には非常に良好な評価を得ましたが、まだまだ日本の良さが十分に発揮できていません。その最も大きい点は木材なのですが、現在は新たな試作品の開発途中で、古民家の解体によって出る古木をメインの材料として使用してみています。果たしてどのような音が出るのか、我々としても非常に楽しみなプロジェクトです。
最終目的が日本のモノづくりを世界へ繋ぐ事である創造士。この我々の目標を現時点で最も体現する自社プロジェクトとして、もしご興味があれば今後もぜひご期待ください。
※当記事の製品は施策初号機でテレキャススタイルのシングルコイルピックアップを搭載したヴィンテージ系として製作